こんにちは。着物沼のじぞうです。
普段、カジュアルな普段着物について発信している私ではありますが、結婚式場でヘアメイクやお着付けの仕事を5年くらいしています。
お仕事をしていて、
・着物を普段着ないので必要な小物がわからない
・おうちに留袖はあったんだけど、よく分からないからレンタルにしちゃった
・持ってきた小物や帯などが留袖用じゃなかったり、忘れ物があった
そんなケースを良く見かけるので、
今回は、新郎新婦のお母様など 結婚式に留袖をお召しになる方に向けて 必要なものをなるべく分かりやすくお伝えできたらと思います。
分からないと不安ですし、難しく感じますが、このページが準備のお手伝いになれば幸いです。
留袖(江戸褄)とは?
こんな感じの、黒い着物で、家紋が5つ入っています。
女性の第一礼装と言われる、一番格式の高い着物です。
格式が高いゆえに、基本的には結婚式以外で着る機会は残念ながらあまりないです。
結婚式でも、新郎新婦の母、ご親族、仲人さん(今はあまりいませんが…)がお召しになる着物です。
お母様世代だと、お嫁入りの時にお仕立てしてもらってお持ちの方も多いと思います。(超羨ましい!)
古いものだからと遠慮せずに、むしろ古いものの方が良いお品物も多いですし、ぜひぜひお家の留袖をこの機会にお召いただけたらと個人的には思います。
留袖の着付けに必要なもの
ここに挙げたものの他に、
・髪飾り
・バッグ
・補正用に必要であればガーゼや脱脂綿など
があると良いかと思います。
荷物は一式、風呂敷などにまとめるのが、一番かさばらなくておすすめです。
あと、履いてきた靴を入れる袋があると良いですね。
表に見える部分
着物や帯など、目に見える部分と、腰紐や帯板など、隠れてしまう部分だけれど お着付けに必要な小物と分けて解説しようと思います。
目に見える部分のアイテムは忘れてしまったり、間違えて持ってきてしまうと 当日ちょっと手間取るので 間違いのないように準備したいですね。
万が一、お忘れ物があっても、大抵の式場では貸衣装屋さんに急遽手配したり なんとかなるかとは思いますが、出来る事なら避けたいもの。しっかり説明していきますね。
着物(留袖)
1.シミやシワの確認をする
一番大事な着物。しまい込まれていると、シワやシミ、変色があることがあります。
一度広げて、確認することをお勧めします。
多少のシミや色褪せはさほど気になりませんので、大丈夫だと思います。
変なシワがついてた場合、当て布して軽くアイロンをすれば大丈夫。
2.比翼がついているか確認する。
留袖には、普通の着物と違って、比翼という白い布が縫い付けられています。
しかし、かなり古いお着物(戦前など)ですと、比翼がついてないこともあります。
昔は白い襲(かさね)という着物を留袖と重ねて着ていたのです。
簡略化されて、現代では襲の代わりに比翼になっています。
比翼がもしついていなかった場合、襲があれば問題ないですし、なければ白い伊達衿で代用も考えられるかとは思いますが、着付け師さんに一度ご相談をおすすめします。
まあ、なかなか無いケースではあります。
ちょうどこれを執筆している間に、比翼の無い留袖のケースがありました。数年に一度くらいしか出会いませんが、お持ちの方もいらっしゃるはずなので参考になればと思います。
比翼は汚れやすいパーツなので、シミがないかどうかも確認してみてください。
ただ、見える範囲はかなり狭いので こちらも多少のシミがあってもさほど気にならないかと思われます。
季節によって留袖を変えるべき??
着物は季節によって 袷と呼ばれる秋冬物と 単と呼ばれる春秋物、とっても薄い夏物があります。
何が違うかというと、仕立て方や素材。
袷は裏地がついています。単と夏物は一枚です。
本来なら、季節に沿った物を着た方が快適なはずなのですが 現代では 婚礼の時の留袖に関しては袷着物がほとんどです。
季節ごとに何枚もの留袖を持っている方も少ないですし、婚礼の場合 両家で揃えることがほとんどなので どのお家でも持っている袷着物にする事が一般的になったのかもしれません。
写真を撮ったときに、夏物だと透けが気になるので、両家揃ってないとおかしい。という考えもあるようです。(その透け感こそ夏物の醍醐味だと私は思うのですが)
レンタル着物でも、夏物や単を扱ってるところはごくわずかです。
最近の夏は本当に暑いので、個人的には夏物まで行かずともせめて単の留袖の方が涼しそうだなあ…。と見てて思いますが、なかなか着る方はいらっしゃらないですね。
ちょっと暑いですが、袷着物で乗り切るために、夏のお式の時は保冷剤などご用意いただいた方が良いかもしれませんね。式場内だけならもちろん冷房がありますが、神社式などで外出される時は熱中症にお気をつけくださいませ。
金や銀の袋帯or丸帯
帯の長さと色を確認する。
留袖の場合、金や銀が使われている 華やかな袋帯になります。
袋帯は長さが4mくらいあります。
留袖の場合、二重太鼓という結び方をします。
名古屋帯という少し短い帯(3m50㎝くらい)だと、短いので二重太鼓が結べません。
振袖用のものは、金銀が入ってても地色が派手な色だったりするので見分けがつくかと思います。
留袖向きの袋帯は、白やベージュなどの地色に金や銀の刺繍が入ってるものが多いです。
両面が刺繍で、非常に重たい帯は丸帯です。
戦前くらいに使われていた古い帯で、とっても豪華ですが、重たいので、現代では袋帯が主流となっております。
重いですが、使ってももちろん大丈夫です。
レトロな留袖に合わせるととても素敵だと思います。
長襦袢と半衿
着物の下に着る、着物と同じ形のものが長襦袢。着物と同じ形なので、長いお袖と衿がついています。
衿の部分には半衿という布がついています。
半衿について
シミがあったりしたら外して洗うか、(酸素系の漂白剤につけ置きするときれいになります。干す前にアイロンをかけると良いです。)
新しいものをご用意ください。
白の無地のものなら間違いはないです。
刺繍半衿でももちろん大丈夫ですが、留袖に合わせるなら 色があまり入ってない落ち着いたものがおすすめです。
外して洗った場合や、もともとついてなかった場合、長襦袢に縫い付けが必要です。
難しくないのですが、半衿付けが心配だったら お着付けをお願いする方や式場にご相談を!
有料になるかとは思いますが、縫ってもらえると思います。
かなりざっくりした解説ですが、こちらにも半衿の付け方載せてます。
衿芯のこと
長襦袢と、縫い付けた半衿の間には 衿芯を差し込んで着用します。
衿芯もいろいろなタイプがあります。
プラスチックの板状のものや、硬い布素材のもの、メッシュ状のものなど…。
どれでもお好みで構いません。主流なのはプラスチックの物でしょうか?
夏場などはメッシュの方が涼しいのかも知れませんが、衿芯くらいではそんなに変わらないよなー…っていうのが私の感想です。
持ち運びや保管の時は、くるくる丸めて洗濯ばさみやコーリンベルトで留めておくと型崩れしません。
折れ曲がってしまうと、着付けした時に衿の形が決まらなくなるので、入れたまま長襦袢を畳まないように気をつけてくださいね!
長襦袢について
留袖の時は白いものを着用することが多いです。(袖の振りからチラリと見えるため)
白じゃなくても間違いではないのですが、出来れば色柄物よりは白がおすすめです。
もうひとつ長襦袢で気をつけたいのが、袖の長さ(袖丈)。
着物と同時にお仕立てしたものなら、袖の長さ同じはずなので大丈夫です。
着物の袖の長さって、全部同じかと思いがちですが、意外と仕立ての好みや時代によって違います。着物に合わせて仕立てたものじゃない場合、多少長さが違うことがあります。
袖丈は揃っていたほうが綺麗ですが、多少合わなくても大丈夫。振袖の長襦袢じゃなければ!笑(過去に振袖の長襦袢を間違ってお持ちになった方もいらっしゃいました。衣裳屋さんに急遽頼んでなんとかなりましたが…)
帯揚げと帯締め
帯の上にある布が帯揚げ。
帯の真ん中くらいに締めてある紐が帯締めです。
白の帯揚げ
留袖を着る時は、白の帯揚げを合わせます。
金糸が入ってたり、絞りのものもあります。
地域によっては赤を合わせるところもあるらしいのですが(昔一緒に働いてた着付師さんから聞いた話。どこの地域までは聞けなかった。残念)基本的には白です。
金、銀、白の帯締め
留袖に合わせる帯締めも、白または金や銀のものになります。
帯締めの形も、丸いものと平らなものがありますが、形はどちらでも大丈夫です。
金の亀の飾りがついていることもあります。
末広(扇子)
帯に差す扇子のことを末広といいます。
留袖に合わせるものは、一般的には持つ部分が黒で 広がる部分が表裏で金銀になっています。
(某着付け教室の末広は持つ部分が白だそう。結婚式にも使えるらしい。)
たまーに、お茶席で使うものや、日本舞踊で使う扇子をお持ちになる方もいらっしゃいます。
お間違えないようにお気をつけください。
左胸の下あたり、帯と帯揚げの間に差し込みます。
ほぼ使いません。差しっぱなしになる事が多いと思います。
暑くても扇ぐのに使ってはダメですよ!!
写真撮影の時などで、末広を持っていただくこともあります。
持つ時は、右手で持って、左手の手のひらを上にしてお腹の辺りで添えるようにします。
相手側(カメラ側)に金を向けて、人差し指を伸ばして持ちます。
白足袋
白の足袋を合わせます。
白でもレース足袋などはカジュアルすぎちゃうと思いますので、基本的な白の足袋にしておけばまず間違いないと思います。
昔ながらの木綿の足袋でも、少し伸縮性のあるストレッチの足袋でもどちらでもお好みで良いと思います。
こはぜの数も、5枚こはぜの方がフォーマル向きと言われますが、履きやすいものでいいと私は思います。
普段足袋に慣れてない方も多いので、個人的にはストレッチの方が履きやすくておすすめです。
静脈瘤があって足袋の下に弾性ストッキングを履いたりとか、
足を怪我されてて、こはぜのない靴下タイプの物をお持ちになることもありますし、皆様色々ですので、とりあえず白の足袋というポイントさえ押さえておけばお好みでいいと思います。
当日はお支度含めて、最低でも4〜5時間は着用していると思います。
草履もそうですが、履きやすさ、歩きやすさは大事ですよ。
あと、左右ちゃんと揃ってるかもご確認を!
右だけ、左だけ。そんな落とし穴もあります。笑
金や銀の草履
フォーマル用の、少し高さのある金や銀色の草履です。
お手持ちの草履をよく確認してみてください!
留袖と一緒に揃えた草履とバッグがあったはず…。
なんて、引っ張り出してみると、履けなくなってることがあります。
確認せずにそのままお持ちになると…
サイズが合わない。
ちょっと歩いたら底が剥がれた。
鼻緒が抜けた。
草履の表面のコーティングが剥がれて、お母様の歩いた跡に金粉が舞っている…。
こんな事態になります。これ、かなりあるあるな話なんです。私はよく見かけます。
なので、一度、ちゃんと履けるかどうかだけよくご確認してお持ちください。
草履はかかとが少し出るのが正しいです。
台からかかとが1〜2㎝くらい出るものがちょうど良いサイズです。
普通のサンダルのような感覚で大きめサイズにしてしまうと、着物の裾を巻き込んで踏んでしまって着崩れの元になります。
階段の昇り降りの時もちょっと危ないので、サイズは良く確認してみてくださいね!
もし、お手持ちの草履がサイズが合わなかったり 劣化してそうでしたら 式場でレンタルをお願いするか 新しいものをお買い求めいただいた方が当日快適にお過ごしいただけるかと思います。
留袖に合わせるバッグ
大体草履とお揃いでご用意されてるかと思いますが、実際荷物がほとんど入らないんですよね。
貴重品を預けるロッカーがある式場もありますが、無いところもありますので お財布はなるべくコンパクトにしておくことをおすすめします。
意外と、受付の方に渡すお礼だったり、お車代などお母様の持ち物って多いんです。
着物バッグは飾りのようなもので、実用性には残念ながら欠けるので 着物用ではない普通のバッグをお使いになる方も多いです。
式の間も椅子や手元に置いておくだけですし、披露宴の時は足元にしまってしまうと思いますので バッグの出番はあまりないんですよね。
お孫さんの荷物も持って行かなきゃいけない事とかもありますし…。
・荷物をコンパクトにまとめて(もしくは誰かに持ってもらって)着物バッグを使う
・実用性重視で、着物用ではないきれい目なバッグを使う
・着物バッグプラス、サブバッグ
この3択になるかなー。と。
この辺はお好みでどうぞ。
ちなみに、ハンカチなど小さなものは袂にも入れられます。あんまり入れすぎちゃうとおかしいですが、ハンカチくらいなら大丈夫です。
サブバッグを使うとしたら、こんな感じのものだと良いのかもしれません。
髪飾り
忘れがちですが、髪飾りもあった方が華やかです。
無くても問題はありませんが、せっかくのお祝いの席なので華やかにすると素敵だと思います。
二本足のかんざしや、パールのついたかんざしが使いやすいです。
パールのUピンは100均でも売られていますし、和装以外でも使えますのでいくつか持っていると便利だと思います。
髪型に関しても、ショートやボブでも 少し逆毛を立てて普段よりボリュームを出してあげると華やかです。
襟足が5センチくらいあれば、短くてもアップ風に仕上げることも可能です。
表に見えない部分の小物について
ここまでは表に見える部分について説明しましたが、次は着物を着るのに必要な紐など小物のお話をします。
腰紐
着付け方によりますが、4〜5本あると安心です。
長襦袢と着物でそれぞれ2本ずつくらい使います。予備に1本あるといいと思います。
腰の部分と、胸の部分に使います。
スタンダードなモスリンの紐でも、ゴムベルトタイプでもお好みで。
モスリンの紐だと、まず間違いはないと思います。モスリンはウールの一種なので、虫喰いしやすいですが、多少の虫喰いがあっても使えますのでご安心を。
滑りにくいのでしっかり締めることができます。
ゴムベルトタイプは基本的に腰紐に使うので、ゴムベルトタイプを入れるときは ゴムを2本、普通の紐2本の組み合わせにしておくといいと思われます。(着付け方によっては胸紐もゴムでやるやり方もありますが、あまり一般的ではないように思います。)
ゴムの利点は、伸びることと、結び目がないので表に響かないこと。ただし、留袖は重たいので、ゴムだと伸びやすい分 裾を踏みつけたりした時に裾がズレやすいかもしれません。
どちらも場合も、腰に巻いてみて、2周回る長さがあれば大丈夫です。
大きめサイズの方は、長尺タイプという長い紐もあるのでそちらをご用意された方が安心かもしれません。
他には、ちょっとシャカシャカしてるポリエステルの素材の紐もあります。もちろん使えますが、ちょっと滑りやすいかな。
伊達締め・伊達巻き
着物を紐で締めたら、その上から伊達締めという細い帯のようなものを締めます。
紐がたくさんあれば、伊達締めがなくてもなんとか着付けることはできるかと思いますが、着崩れにくくするためにも伊達締めもあった方がいいです。
長襦袢と着物にそれぞれ1本ずつ、計2本必要です。
伊達締めのいろいろ
伊達締めって、いろんなタイプがあります。
どれでも大丈夫ですが、あまりにもいろんなタイプがあるので、これって伊達締め??と混乱するので以下にまとめてみようと思います。
正絹の伊達締め
個人的には一番締めやすいと思う。絹で出来てて、ペラっと一枚のものがほとんど。
いろんな色柄があります。上の写真右上のもの。
マジックテープタイプ
これもよくあるタイプ。
マジックテープがついていて、このタイプはひと巻きするだけの長さしかありません。
なので、いざ巻いてみると、アレ?短い??留まらない??!ってことになることがあるので長さ確認はしてみた方がいいです。
個人的には、夏場は蒸れるのであまりおすすめしません。夏だったら、同じマジックテープでもメッシュのものがあるのでそちらか、他のタイプの伊達締めがあればそちらをどうぞ。
化繊の伊達締め
ポリエステルなどの化繊素材で、真ん中がちょっと芯が入っているようなものが多いです。
芯の両サイドがシャーリングが入ってて伸び縮みするタイプも。
このタイプは金具がついていることもあります。
この金具は、後述するコーリンベルトの役割も果たしてくれるものですが、使い方が独特なので着付師さんによっては苦手なことも(注:私のこと。笑)。
伊達巻き
伊達締めの両端に紐がついてるものは伊達巻きと呼ばれます。花嫁衣装の着付けに使われることが多いですが、もちろん普通の着物でも使えます。
私の手元にあるものは、自分で紐やストッキング(!)で長さを出してるオリジナルタイプ。笑どちらも頂き物ですが、使ってた方の工夫が偲ばれます。
ファスナー付きの小物が入れられるタイプ
大事なものを仕舞えるタイプ。笑
昭和のある時期に流行ったのでしょうか?
戦前の本でも作り方が載ってました。
もちろんこれも使えます。
帯板と兼用タイプ
後述する帯板と一緒になったタイプ。
着付けグッズはこのように、いろんな人が便利なものを考えてるので 多様化しすぎて 普段着物を着ない人からすると混乱するのです。笑
これは自分で着るときには便利かな。夏場はちょっと暑いかも?
コーリンベルト(着物ベルト)
コーリンベルトというのはコーリンという会社の商品名なのですが、一般的に他の会社の類似品のこともコーリンベルトと呼んでしまうことが多いので ここではコーリンベルトで統一しますね。
着物ベルトと呼ばれることもあります。
ゴムベルトの両端にプラスチックや金具のクリップがついているもののことです。
こちらは、なくても着付け自体は出来るのですが、あった方が着崩れしにくいと思います。
長襦袢と着物でそれぞれ使うので、2本あるとベストです。(着付師さんによる)
留袖の場合、比翼があるので、コーリンベルトがあった方が比翼がズレにくくていいなあ。というのが個人的な感想であります。
さて、こちらのコーリンベルトですが、古いものはクリップ部分が劣化してます。
動作確認をお願いします!
クリップ部分の付け根をぱちんと曲げるとクリップの口が開く仕組みなのですが、劣化してると開かないばかりか、最悪ちょっと動かしただけで割れたりして壊れます。
ちゃんと使えるかどうか今一度ご確認を!(これ本当にあるあるなんですよ〜。泣)
コーリンベルトもサイズがあります。短いものを長くすることはできませんが、長いものを短く調整は効きますので、新しく買うならLサイズがオススメです。
帯板
帯を巻く時に、ピシっとさせるために間に入れる板のこと。
ゴムベルトがついていて着物の上に装着して帯を巻くタイプのものと、
シンプルな板だけのものがあります。
板だけのものは、サイズが2種類ありますが、使うのは長い前板と呼ばれるものになります。短いサイズのものは振袖の帯結びの時に使う後ろ板なので 前に使うにはちょっと短いです。
どちらのタイプでも問題ありません。
帯枕
留袖を着る時は、帯結びは二重太鼓という結び方をします。
この結び方をするために、帯枕というものが必要です。
細長いクッションのような形で、左右に紐が付いています。
同じ帯枕でも、三角っぽいはまぐり型のものもあります。こちらは振袖の変わり結びをするときに使います。こちらでもお太鼓結びは出来なくはないですが、形が整いにくいので、細長い形の枕がおすすめです。
写真右下の改良枕は、自分で着るときは便利かもしれませんが、着付け師さんにお願いするときは普通の帯枕が無難です。(私も未だに使い方がよくわからない。)
もし、紐がないタイプだったり、帯枕の紐が短かったりしても、ガーゼを巻いておけば使うことができます。
元々の紐だけだと、ちょっと食い込みやすいので、どちらにせよガーゼを巻いておくのがおすすめです♪
肌着(肌襦袢と裾除け、またはワンピースタイプ)
長襦袢の下に着る肌着。
・ワンピースタイプ
・肌襦袢と裾除けの組み合わせ
この2タイプに分けられます。見えない部分ですし、着る目的は 汗や汚れが着物や長襦袢に付かないようにする為なので、どちらでもかまいません。
※肌襦袢と長襦袢をお間違えになる方が多いです!
肌襦袢は、衿がなくて、お袖も着物の袖とは違って普通の洋服のような筒袖です。
よくお間違えになるのが、二部式の長襦袢の上の部分を肌襦袢と間違えるケースが多いですね。
下の部分は裾除けがわりに使えなくもないのですが、上はどうしても衿があるので長襦袢と重ねられないのでお間違えないように!
ワンピースタイプ
前あきタイプと、かぶりのタイプがあります。主流なのは前あきかなー。
レンタル衣装や呉服屋さんではこちらを薦められることが多いように思います。
ただ、背の低い方はワンピースタイプだと稀に長すぎる事があるのが短所でしょうか。
肌襦袢と裾除けタイプ
肌じゅばんと呼ばれるシャツのようなものと、裾除けという巻きスカートのようなものに分かれているタイプの肌着。
昔ながらのタイプ。難点を挙げるとすれば、家にあったものが小さい可能性がある。ということでしょうか。肌襦袢に関しては、前が合わさらなくてもそこまで問題ないですが、裾除けの紐が回らなくて結べないとちょっと困るので 着られるかどうか確認しておくのが必要かな。といったところです。
昔の人は細かったのかなあ〜?私も実家にあった裾除けの紐がギリギリです。これ以上太らないようにと戒めで使ってますが。
肌着に関しては着ていればいい!と私は思うので、何でもいいよなー。というのが私の感想です。だって見えないし。
ただ、着ないと長襦袢に汗が直接しみちゃうので、何かしら着ておいた方がいいと思ってます。
下着について
ブラのこと
ブラジャーははずなさいとダメ?というご質問が多いですが、もちろんつけていても構いません。
ただ、ワイヤーが入ってると紐が当たった時に痛いことがあるので避けた方がいいかな。と。
あと、パッドがモリモリのものも着物の時は太って見えるのでやめた方がいいです。
ノンワイヤーブラか、カップ付きインナー(なるべくパッドが薄めのやつ)がいいんじゃないでしょうか?
お胸が大きい方は、和装ブラがあると非常にありがたいです。こちらも、サイズの事前確認をお願いします。たまに着れないケースが…。
パンツ、ガードルのこと
盲点のパンツについてですが、ローライズの物がおすすめです。おへそまでくるような深めのパンツやガードルだと、トイレの時に帯の下に挟まってしまって非常に下ろしにくいです。
冬場の防寒について
着物は基本的に暖かいですし、結婚式場内ではそんなに心配いらないと思いますが、冷え性の方や、神社式などで外出される場合、防寒について気になりますよね。
ブラの上に、ヒートテックなどの防寒肌着を着ていても大丈夫です。ただ、衿ぐりのなるべく広いものを着て来てくださいね。
下も、ヒートテックのレギンスなど履いていても大丈夫です。多少足さばきは悪くなるけど…。
神社やお寺などは足が冷えるので、裏がネルの足袋にしたり、中に一枚5本指か足袋型の靴下を履いてその上から足袋を履いても良いかもしれないですね。
補正について(タオルや補正具のこと)
私は太ってるから、補正はいらないと思って…。と、何もお持ちにならない方もいらっしゃいますが、とりあえずタオル3枚くらいは最低限ご用意ください。
他のものもあるとありがたいけど、とりあえずなんでも良いので、タオル!貰い物の薄っぺらいやつで充分です。逆に良い素材の高級タオルはフカフカしすぎて使いにくいのです。
タオル
そんなわけで、他のものはわざわざ買わなくても良いから、とにかくタオルを3〜5枚。
補正は、体型を寸胴にするだけじゃなくて、紐が食い込まないためにも使ったりします。ですので、お忘れなく!
脱脂綿&ガーゼ
着付け師さんによっては、こちらもご用意くださいと言われるかもしれません。
薬局の、包帯とか売ってるところにあると思います。
ガーゼは5メートルくらい、脱脂綿は体型によるのでなんとも言えないけど100グラムくらいあると良いと思います。
脱脂綿、化粧用のコットンと間違える方もチラホラいます。
確かに、確かにこれも脱脂綿ではあるけど、コレジャナイ…….。塊になった綿みたいなやつが必要なのでお間違えなく!
その他補正用具
着付けの小物と一緒に、お手製の補正具や、補正用のパッドが入ってることは珍しくありません。
そのまま一緒にお持ちください。
わざわざ買ったり作る必要はありませんが、お家にもしあれば、使えるかもしれないのであると助かります。
まとめと動画
いかがでしたか?
かなり長い記事になりましたが、参考になれば幸いです。
また、youtubeにも動画で同じ内容をアップしてます。
そちらも長いけど良かったらご覧くださいませ。
後編の方で、トイレの行き方やアクセサリーについてなど、よくある質問にお答えしてます。
ではでは、楽しい結婚式になりますように♪
最後までお読みいただきありがとうございました!
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