こんにちは!着物沼のじぞうです。
そういえば、このサイトを始めた頃は、私全然アンティーク着物って持ってなくてですね。
気づけば今はアンティーク大好き!なんですけれど。
今回は、とっても魅力的なアンティーク着物のおはなしです。
アンティーク着物とは?
はっきりとした定義は無いような気がしますが、なんとなく第2次世界大戦以前の着物の事を指すことが多いと思ってます。
つまり、昭和初期以前のお着物。
大正ロマンな着物。なんて言われたりしますね。
大正ロマンって何ぞや?知ってるようでよく分かんない。そんな大正ロマンについても以前noteにまとめました。
つまり、今から100年くらい前(もしくはもっと前!)に作られたお着物たち。
そんなに昔の着物を身に纏うことが出来るって素敵ですよね。
アンティーク着物の見分け方
着物自体に、○○年製などと書いてあるわけではないので あくまで予測になるのですが、
私が買う時に
コレはもしかしてアンティークかな?って思う特徴をまとめてみます。
お袖の長さ
戦前のお着物は、お袖が長いものが多いのです。
現代のお着物は大体49センチくらいが主流。
分かりにくいけど、下の写真 右は現代もので袖丈48センチくらい。
左は銘仙 袖丈は60センチくらいありますね。
黄色いラインが袖の長さです。10センチ以上差があることがわかります。
戦後の着物でも、若い人向けのものは袖丈が長めだったりします。(うちの母の着物がそうだった。おそらく1970〜80年代のもの)
なので、お袖が長いぞ!だからアンティークだ!!
とは、限りません。では、他に何を見るかというと…。
素材(とくに裏地)
素材に関しては、いろいろ見ないと区別がつきにくいとは思いますが、参考になれば…。
ちなみに私もまだまだ分からないものたくさんです。着物屋さんと仲良くなって教えてもらうのがいちばんかな?
昭和後期〜現代の着物の裏地
あくまで、私の勝手なイメージというか 色々見て気づいたことなのですが
戦後(昭和後期〜)の着物の裏地(胴裏)はツルッとした白が多い気がします。
しかも、アイロンかけるのがちょっと恐ろしい素材。ちょっとポリエステルとか入ってそうな…。
スカートとかの裏地に近いと言うか…。
いろんな仕立て方もあるとは思いますが、たまたまこの母の着物は2着とも胴裏から色がグラデーションになって裾まで続いてました。
アンティークでグラデーションになってるのは見たことない気がする。
アンティーク着物の裏地
裏の素材もいろいろですが、絹・木綿・人絹・モスリン…
真っ赤な紅絹の裏がついてると、ああ…アンティークだな。って思います。
おなじ真っ赤でも、木綿だったりもしますけどね。
絹の裏がついてるものは軽くて着心地が良いです。
白い胴裏でも、私が持ってるものは木綿で出来てきました。
着物の表地の素材
昭和後期〜現代
絹、木綿、麻などいろいろですが、例えば同じ正絹の着物でも 時代によって質感が違います。織り方も関係はしてると思いますが…。
昭和後期の着物は、(つまり母の着物ってことね)なんていったらいいんだろう…。
しっとり、ツヤツヤしてて、厚みがあるんですよ。産地などの問題や製法なのかもしれないけど。
そして、現代のお着物に仕事柄触れることもあるのだけれど、これもまた昭和後期のものとは明らかに見た目や触り心地が違う。何が違うんだろう?
アンティーク着物
そして、アンティークとなるとまた全然違ってて。
織り方によって銘仙とかお召とかジャンル分けされて売られているので アンティーク着物のお店などで色々見せてもらうとだんだん分かってくる。
銘仙
多分、いちばん覚えやすい!
私が一番最初に見分けられるようになったのが銘仙です。
ほぐし織りという製法でつくられてて、光沢とハリがあって軽いです。表面はツルッとした手触りです。
斬新な柄ゆきと、カラフルな色合い!
大正時代に大流行した銘仙。お手頃価格だったこともあって、全国的に広まります。
そうやって大衆化したことで、今でも手に入れやすいんですね。きっと。
お召
お召も、昔の普段着としてよく本に書いてあって どんなものなんだろうなあ〜?ってずっと謎でした。
丈夫で着やすい。などとよく紹介されてます。
未だに、ちょっと見分け方に自信がない。
触ると、ザリっとしてます。
お召ちりめん。
ちなみに、洗うと縮むので洗わないでね!水にはご注意を。
薄くて軽い感じのもの
急にめちゃめちゃ漠然としてますが…。笑
銘仙やお召で、裏地がカラフルで、お袖が長かったらまあまずアンティークだと思って間違いない。
それ以外の着物で、裏地がカラフルで、お袖が長かったら…。
たぶん、それもアンティークだと思う。
単や夏物はもちろん裏はついてませんし、そうなるとお袖の長さと なんとなくの素材感、柄で判断する感じになります。
昔の正絹って、いいやつは薄くて軽い気がする。いいやつだからこそ、大切にされて現代まで残っているんだと思う。
アンティークの留袖とか見てるとほんとそう。
着心地が良いのだ。
だから、薄くて軽いやつは、私はアンティークじゃないかな?って思うのです。(私の勝手な解釈です)
帯について
帯も、古いものは特徴がある。いろんなのがあるから、全てを説明はできないけど。
繻子の帯
ツヤツヤなサテンの帯。黒が多い。
刺繍がしてあることが多いけど、
たまに手描きの絵だったりして 私の心をゆさぶる。
手描き…。笑
短い帯
昔の人は細かったの??
もしかしたら締め方が違う?
アンティーク帯は大抵短い。なんでなの?笑
あとは、布地の感じとか、柄の感じだよねえ。これは古そうだな。ってなんとなくわかってくる。
半幅帯でも、妙に太かったり 謎帯があります。笑
昼夜帯。表と裏で違う布でできています。まあ、リバーシブルってことよね。
片面を黒繻子で仕立てていたから昼夜帯とか鯨帯というらしいですよ。
下の写真は昼夜帯で立て結びしています。
引き抜き帯
たまに、お太鼓部分の柄が逆さまになっているものがあります。引き抜き結びという結び方をすると柄が正しい位置に来るはず…なのですが 未だにやり方がよくわかってない私。
私の思うアンティークの魅力
唯一無二感
当たり前だけど、古いものなので もう出逢えない可能性が高いこと。
たまーに、すごく似てるやつがあったりするのも面白い。人気のデザインだったのかしら?とか考えるのも楽しい。
単純に古着が好き
時を超えて、今私の手元にある。というのに私は弱い。
洋服でも和服でも、古着が好きなのだ。
新作展示会のようなところにも行ったことがあるけれど、なぜか私の心はゆさぶられない。
まだ出逢ってないだけで素敵な作り手さんもたくさんいらっしゃると思うんだけど。
私の心が揺さぶられるのは、
なんでこんなデザインに?!
って思うような可笑しみだったり、作り手の好みがダダ漏れしている着物たちなのだ。
昔は家庭で仕立てていた着物。
反物を買って、あるいは何かを改造して、着物や羽織 帯に仕立てている。
柄合わせの妙だったり、羽裏がものすごーくクセが強かったり。
たくさんお直しして、それでも愛されてた跡を見つけちゃうと こちらもきゅんとしてしまうのです。
長襦袢も派手!
派手すぎやしないか?ってくらい派手なアンティーク長襦袢。
勝負下着ならぬ勝負襦袢?!!
長襦袢もアンティークはワンダーランドなのです。
真っ赤な襦袢もアンティークならでは。
よく見ると地紋もすてきなのですよ。
おまけ:アンティーク袖丈問題
これだけ袖丈にバリエーションのあるアンティーク。買ったものの、手持ちの長襦袢と袖丈が合わないこともしばしば。(っていうかほとんど!)
その1:気にしない。
私はめんどくさいので気にしない派です。笑
裄がズレてるのもあんまり気にしない…。
その2:半襦袢を合わせる。
夏はほぼ筒袖の半襦袢。しかし冬…。冬でも半襦袢でももちろん良いんだけど、せっかく持ってるアンティーク長襦袢も着たくなる。そんな時は…。
その3:振りが出ないようにすこし着物の袖を糸で留めておく
そもそも、袖丈の問題だけじゃなくて 袖付けの位置も関係して 袖の振りが飛び出すらしい…。
アンティークだと、時代によって帯位置が上に締めたりしていたので、それに伴って袖付け位置も高くなってる。
私は面倒なのでやったことはないんだけど、袂のあいてるところを1箇所くらい軽く糸で留めておくといいみたいですよ。マメな方はおたしめあれ。
その4:安全ピンを駆使!
安全ピンを使うのに抵抗がなければ、長襦袢の袖を折って安全ピンで留める方法も。
袖が飛び出る問題は、多いお悩みなので いろんな人がいろんなやり方を試しているので これ以外にもやり方たくさんあると思います。調べてみて自分に合った方法をお試しくださいね♪
まとめ
知れば知るほど奥深いアンティーク着物の世界。
ほんとに、見てるだけでも楽しい。
じっくり見ると いろんなことに気づいちゃう。
地紋のかわいさ。羽裏のへんてこ。柄合わせの妙…。そもそも、へんてこ柄。
着物を知ると、作られた時代背景にも興味が湧くし、
いろんな場所にも行きたくなる。
ものを大事にしたくなるから、お裁縫も出来るようになりたくなる。
奥の深〜いアンティーク着物の世界、
皆さん覗いてみてくださいね♪
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